あらまし
私たちの住む滋賀県は四方を山に囲まれており、中央に琵琶湖、その周囲に河川を擁する盆地が広がる地域です。古くから自然と人が共生しており、里山文化が受け継がれてきました。近年でも、農村を保全するために、集落が協力し合う農業が各地域で取り組まれています。
ここ横山町では、平成元年から一集落一農場を実践する完全協業型集落営農組織を目指し、県内でも先進的な取り組みとして「横山生産組合」がスタートしました。平成21年には法人化され、「農事組合法人ぐっど・はーべすと」に名称変更してその取り組みを継続しています。
運営
「農事組合法人ぐっど・はーべすと」には現在30戸の兼業農家が加入しています。組合員は、付託する土地の利用を営農組織に一任し、一反あたり5万円の出資と面積に応じた出役を行います。農業収益によって組織は運営され、労務に対しても配当の形で分配しています。組合員が役割分担して業務にあたります。
組織の運営は組合員の中から選出された6名の理事が決定します。理事の役職は組合長、副組合長、営農部長、営農副部長、機械部長、販売部長となっています。他に総務部長、前期役員の理事と監査役がいます。
将来性
全国的に見ると農業従事者の高齢化や担い手不足が問題となっています。組織化されて四半世紀が過ぎる私たちですが、構成する組合員の平均年齢が40代と比較的若いのが特徴です。そのように組織形態を維持できているのは、みんなで知恵を出し合って意見交換をするなど、日々の努力を重ねているからです。特に転作大豆のために組織された「ぐっど・びーんず」は、組合員になる前の若手を中心に、作付けから収穫、出荷までを一貫で作業しています。
いずれ訪れる世代交代に備えて、楽しみながら知識を技術を磨く場となっています。組合員でないシニアや女性などもアルバイトとして仕事をします。多くの人が参加することで地域の絆を生み、コミュニティ形成や憩いの場としての機能を果たしています。